こちらは住み込みの学校にちょっと自己啓発セミナーや宗教団体のテイストをミックスしたような施設で過ごした人々の物語。
閉鎖的な空間で過ごす事の危うさを描きつつ、でも当事者にとっては悪いことばかりではなかったりと言った多面性が丁寧に描かれています。
それは人によっては変わるだけではなく、一人の人間の中でも複数の感情が入り混じり事件を複雑化していきます。
今作はメインの登場人物が小中学生の女子(と彼女らが大人になった後の姿)であり、こちらの描写は作者の十八番だと思っているので安定感がありましたね。
また、閉鎖的な環境で育った関係でちょっと感覚のズレたように思わせる描写もあり、その辺も凄く巧妙でした。
この辺の「ズレ方」も何も悪いことばかりではなく、大人になる過程で多くの方が忘れたり捨てたりしたものを持っていたりもしていて、とても良い描かれ方だなと思います。
総じて完成度が高くて読み応えがあり、とてもお気に入りです。

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