2026/11/03

「みんなでルナチー」完全版

LUNA SEAは元々好きでよく聴くし、こちらのパロディのLUNA CHEEも去年とても楽しんで動画見てましたし、なんなら実際にマクドナルドでチーチーダブチを食べたりもしていたのですが、まさか今年も来るとはね・・・!

しかも今回はまさかの100人体制で、こんなに愛されてるバンドいる?って位感動的なパロディです。

こうやって色んな方に紡がれていくLUNA SEAは本当に良いバンドです。

2026/11/01

辻村深月『水底フェスタ』ネタバレ含む

 


フェスで出会った湧谷広海と芸能人の織場由貴美の物語。

今回は男性が主人公と言うことでどうなるかなぁと思いながら読んでましたがこちらもとても面白い作品でした。

これまで読んできた作品での印象では、辻村深月は女性の解像度が物凄いけど男性に関してはそれ程と言う印象でした。

そのため、女性はとことんリアルで人間らしく、或いは醜く描かれている一方で男性はあまり毒やアクのない普通の人が多い印象でした。

実際今作でも広海の心理描写が丁寧かと言うとそうではないなと思ったのですが、そこは作者自身が自覚していて敢えて避けて物語を描いたのかな、と言う印象です。

結果この作品も凄く楽しめました。

この作品では徹底した村の隠蔽体質を描いていて、何が本当なのか分かりにくくしながら物語が進行していくわけですが、最終的にも「結局何が本当だったのかな?」と言うのは少しぼかして描いている気がして、読者の妄想を挟む余地を残しているような気がします。


この手の感想をアップする時どんな感じで書こうかなぁと迷うことが多いのですが、あらすじなんて皆知ってるだろうし、もうそこではなくて読んだ人じゃないと分からないような完全な感想文の方が面白いかなと思ってそちらに寄せて書いてみました。

個人的にもこの手の文章の方が人間的な気がして好きなんですよね。

2026/10/31

辻村深月『噛み合わない会話とある過去について』ネタバレ含む

 


過去のある出来事を発端として展開する4つの物語の短編集です。


■ナベちゃんのヨメ

大学時代、コーラス部の女子グループに混ざった男子「ナベちゃん」が結婚する。

そのヨメはどうやら凄いらしいぞ、と言う所から始まる物語なわけですが、ナベちゃんはどうやら大学時代はあまり男性として接してもらえなかったらしい。

一方その凄いヨメはナベちゃんを男として認めている。

だからこそナベちゃんはコーラス部時代の仲間を全切りしてでもそのヨメを選んだのだな、と言うのが伝わってきます。

ナベちゃん本人の心理描写はないので、それは女子グループ側の方々の推測ではあるのですが、恐らくそうだろうなと思われます。


■パッとしない子

今をときめくアイドルの高輪佑が母校の小学校にやってくる。

母校で唯一佑在学時からいる松尾美穂はそれをちょっと楽しみにしていたりするわけですが、佑は全くそんな事は思っていなくて、美穂は完膚なきまでに叩きのめされてしまうわけです。

ただ、この話のポイントは過去の事実を誰が正しく認識しているか?と言う点で、実は佑が正しいとも美穂が正しいとも明示はされていないわけで、ある意味双方思い込みに基づいて、或いはわかった上で事実を捻じ曲げて話をしています。

そのため美穂にも言い分があるわけですが、状況的に佑の方が強かったので引き下がるしかなかった形です。

言った言わないや、あったなかったの争いってビジネスとかでもあると思いますがその類の話ですね。


■ママ・はは

クソ真面目な親を持つとどんな親子関係になるのかな?

一見そんな恐ろしさを語った話に見えますが、どうやら過去改竄のファンタジーな話で、記憶の改竄ではなく文字通り過去が改竄されていきます。

リアルタイムにどんどん改竄されていく過去は中々面白く、1個前の「パッとしない子」が胸クソ系の流れを持つので箸休めに良いかなと言う感じもあります。

親子関係の話はちょっと胸クソ系なんですけどね。


■早穂とゆかり

小学校時代、ちょっと「イタイ系」でありつつも今では独特の塾経営で一躍有名人な日比野ゆかりと、主流グループに身を置いていて、現在はマスコミで働く湯本早穂。

早穂は当時ゆかりが「ちょっと浮いていた」と思っていたので会うのに躊躇したりもしていたものの取材を申し込むわけですが、ゆかりの認識は「ちょっと浮いていた」どころの扱いでは無かったようで早穂の認識の甘さを詰めていきます。

最後はこれでもかと言うレベルで早穂は叩きのめされるわけですがまぁそうなるわなと言う気もしました。


「ママ・はは」以外の3作品に共通するのは自分の都合よく過去を解釈する人に対してそうではない認識をぶつけていく展開になる点でしょうか。

だからこそまずは「噛み合わない会話」が発生するわけで「ある過去について」の認識の違いをぶつけられる展開になるわけですね。

それぞれ50ページ前後の短編なのですが、そうとは思えない位グッと引き込むものがあり大いに楽しめました。

2026/10/29

辻村深月『傲慢と善良』ネタバレ含む

 


婚活で出会ったとある男女の物語。

一見傲慢に見えるが善良な内面を持つ西澤架と、一見善良に見えるが傲慢な内面を持つ坂庭真実を中心に話が進みます。

前半は主に架の視点で失踪した真実の行方を探すパートとなっており、後半は真実の視点で失踪に至る経緯や失踪後の話が展開されます。

やはり辻村作品らしく?架の周りの女友達は感じ悪く描かれており、真実はちょっとこじらせ系っぽく描かれていて安心安定の辻村深月を満喫できますね。

真実のストーカー話は真実なのか?がこの物語の大きなポイントで結果嘘ではあるのですが、自分も架と同じく疑わなさそうだなと思いました。

やっぱりこういう悪意的なものには女性の方が敏感なのかもしれないですね。

ちなみに他作品でお馴染みの谷川ヨシノが今作でも登場します。

他を読まないと理解に支障があるなんてことはなく、知ってるとちょっと「おっ」と思うくらいの絶妙な出方なのが良いですね。

2026/10/21

辻村深月『光待つ場所へ』ネタバレ含む

 


こちらは3つの物語の短編集です。

文庫版は4つないし5つの物語のようですが自分は新刊を読んだので3つです。

そのうち文庫版も読みたいですね。

昔は短編集って物足りなさを感じることが多かったのですが、好みの変化なのか辻村深月が凄いのか、最近は短編集も楽しく読めてます。


1つ目は「しあわせのこみち」。

画家志望と言うほど熱意が持てず、ただそれなりに才能があるために惰性や義務的に絵画を続けている清水あやめが初めて味わう敗北。

あやめに敗北感を味あわせた相手の田辺との出会いと交流、そして自分の殻を破って最優秀賞を受賞するまでの物語。

人間的な感情を捨て去ってひたすら絵画に打ち込んでいたひかりが田辺との交流を通して徐々に人間的な感情を思い出していくのが良いですね。


2つ目は「チハラトーコの物語」

中学生時代に出会ったオタク教師の影響でオタク化した美人モデル?チハラトーコの物語。

嘘を織り交ぜた会話で自分をちょっと特別な存在に仕立てていくわけですが、本人的にはあくまでエンターテイメントと言う扱いで利他的な行動のつもりなわけですが、途中段々怪しくなってきて何のための嘘か分からなくなってきてしまう感じです。

ただ、最後は得意の嘘である人を守りますし、嘘で守ってきたプライドを棄てて前に進んでいきます。

チハラトーコは29歳なわけですが、結構イタイ系キャラで描かれていて好きなキャラですね。


3つ目は「樹氷の街」

合唱コンクールを巡る生徒たちの物語で、ピアニストに立候補した倉田は自由曲の樹氷の街が上手く弾けずにクラスメート全体から悪く思われ、ある日自由曲の楽譜が音楽室のゴミ箱に捨てられてしまいます。

これを捨てたのは誰なのか?指揮者の天木には思い当たる人がいるようですが、そこは一旦脇に置いて自由曲のピアニストは松永郁也に変更されます。

松永郁也のピアノで合唱コンクールの目処がたちますが、その間に各登場人物がちょっとずつ浮き彫りになる感じです。

最終的に天木は楽譜を捨てたのは倉田自身で、自作自演である事、そもそもピアニストに立候補したのは天木へのアピールであること(倉田は天木に3回告白して3回ふられたらしい)等を述べます。

倉田もチハラトーコとは違った意味でちょっとイタイ女子なわけですが、その辺の事情もあって天木は始め倉田をかなり邪険にあしらってる感じです。

最後は気持ちを受けとめるわけではないまでも天木と倉田は友人位の関係性になります。

ちなみに倉田と天木に関して結構書きましたがこの物語自体はどちらかと言うと天木と松永の物語で倉田の描写は弱めです。


辻村作品の女子は割と「自分をちょっと特別と思っててややイタイ系」ですが今回の短編3作の清水あやめ、チハラトーコ、倉田は方向性はそれぞれちょっと違いつつもこのパターンに合う感じで安心の辻村作品といった印象でした。

また、今作の登場人物は結構既視感があるなと思って読んでいたのですが、他作品にも登場している人物が多いみたいですね。

その辺を復習するためにも改めて他作品を読んでみたくなりました。

2026/10/20

辻村深月『本日は大安なり』ネタバレ含む

 


結婚式をテーマに4組のカップルを描いた話。

ミステリーと言うよりかはドタバタコメディみたいなノリで読める作品かなと思います。

各所に色々物語の仕掛けがありますが、基本的にゆるく楽しく読めるのであんまりドロドロした展開が苦手な人なんかでも楽しめるのではないかと思います。


個人的にはウェディングプランナーの山井多香子と大崎玲奈の話が好きですね。

4組のうち唯一完全にシリアスな展開で読んでいてハラハラしたりもしますしとても良かったです。


辻村作品が好きな方には加賀山姉妹の話が相性良さそうです。

女性のちょっとドロドロした部分が描かれていて凄く辻村深月らしいです。

トリックはベタに姉妹入替えですが、ちゃんと見破られることでこの話を面白くしていると思います。

ここで誰も見破れなかったら加賀山姉妹の話が一番暗い話になったと思います。


他の2つはどちらかと言うとコミカルな方向に振っていて作品全体の世界を拡げる役割なのかなと思いました。

ただ、最後鈴木が良いところを持っていくのは素晴らしい展開ですね。

2026/10/19

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』ネタバレ含む

 


中学二年生の主人公の女子中学生が文字通り中二病を拗らせたような性格をしており、カッコよく自殺をすることを決意する。

ただ、カッコよく死ぬためには他人の手が必要で同級生のちょっと変わり者な男子を巻き込み計画を進めていく物語です。



個人的には主人公の小林アンの考えていることがまんま今の自分に近くて物語に没入しました。

勿論自分はアンのように「死にたい」とまでは思わないのですが、今生きてるこの場所に強烈な違和感やくだらなさを抱いていると言う点ではかなり共感できました。

巻き込まれた男子中学生の徳川は初登場時はちょっとサイコパス気味な感じでありますが、徐々に人間性が描かれていき普通の中学生とまでは言いませんがそれなりに理解出来る人間になっていきます。

この二人の計画は未熟でそのやり取りの様は見ている方が恥ずかしくなるような面もありますが、そこが逆にデートっぽく見えたりもしてとても微笑ましいです。

最後もとても温かく救いのあるものになっていて、お気に入りの作品の一つですね。