フェスで出会った湧谷広海と芸能人の織場由貴美の物語。
今回は男性が主人公と言うことでどうなるかなぁと思いながら読んでましたがこちらもとても面白い作品でした。
これまで読んできた作品での印象では、辻村深月は女性の解像度が物凄いけど男性に関してはそれ程と言う印象でした。
そのため、女性はとことんリアルで人間らしく、或いは醜く描かれている一方で男性はあまり毒やアクのない普通の人が多い印象でした。
実際今作でも広海の心理描写が丁寧かと言うとそうではないなと思ったのですが、そこは作者自身が自覚していて敢えて避けて物語を描いたのかな、と言う印象です。
結果この作品も凄く楽しめました。
この作品では徹底した村の隠蔽体質を描いていて、何が本当なのか分かりにくくしながら物語が進行していくわけですが、最終的にも「結局何が本当だったのかな?」と言うのは少しぼかして描いている気がして、読者の妄想を挟む余地を残しているような気がします。
この手の感想をアップする時どんな感じで書こうかなぁと迷うことが多いのですが、あらすじなんて皆知ってるだろうし、もうそこではなくて読んだ人じゃないと分からないような完全な感想文の方が面白いかなと思ってそちらに寄せて書いてみました。
個人的にもこの手の文章の方が人間的な気がして好きなんですよね。