こちらは両親と保育園児の姉弟の4人家族である鶴峯家を中心とした子育ての物語です。
主要登場人物が鶴峯家なのは共通ですが、各章個別のエピソードになっており短編集寄りです。
全体的にほのぼのした雰囲気で「本日は大安なり」に近いものになっていると思います。
「本日は大安なり」よりも物語の山場がないので人によっては退屈に感じるかもしれません。
個人的にはこういう緩い作品も良いかなといったところで結構楽しめました。
最終エピソードで妻である鶴峯志保の母が登場するのですが、その人だけ絵に描いたような不快な人物で、やっぱり辻村深月はこういう人物を描くのが上手いなと思いました。
本作の主人公は夫である鶴峯裕なのですが、基本的には俯瞰して語り部みたいな役回りにおさめられており、やや無個性な感じになっています。
他の作品の感想でも述べたのですが、辻村深月は男性を描くのは女性ほど得意ではない印象で、今回の語り部的な立ち位置は上手い落とし所なのかなと思いました。

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